2005年6月25日 三角西港公園にて

現在、レトロな雰囲気を残した公園として整備されています。

 

浦島屋

明治26年7月22日、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が長崎からの帰途立ち寄り、「夏の日の夢」と題する紀行文の舞台とした和風旅館。明治38年に解体され大連に運ばれましたが、平成4年度、設計図をもとに復元されました。

 

左)浦島屋と 右)ムルドルハウス(現在、物産館)

 

石積・東排水路と石橋・三之橋

東西2ヶ所にある石積排水路もオランダ人水理工師ムルドルの設計によるものです。ムルドル氏は埠頭の建設のみならず、石積排水路や環濠、石の道路側溝や石橋などの都市施設の設計もおこないました。現在、4つの石橋がのこっていますが、この「三之橋」は列柱を模した桁石と一枚石の欄干が意匠上の特徴となっています。

 

倉庫前には貨物運搬用の軌道敷(レール)が埠頭沿いに敷設されていました。三之橋の海寄りには、当時排水路上に架けられていた木橋の橋台の痕跡が今も残っています。

 

石積埠頭

 

 

龍驤館

大正7年に建設された。宇土郡教育会館・郡公会堂向きに設計され教育参考品や郡内の物産を陳列して教育・産業の振興を図ると共に、館内に郡立図書館も置いた。この地はかつての文豪小泉八雲ゆかりの「浦島屋」の跡地でもある。

 

荷役倉庫(旧三角海運倉庫/現築港記念館)

かつて埠頭沿いには、20棟以上の荷役倉庫が建ち並んでいました。当時は米・石炭・硫黄などが関西や大陸方面に出荷され、県外や大陸からは鉱石・木材などの工業原料が輸入されていました。

 

元荷役倉庫がレストランカフェになっています。

海に面したデッキでコーヒーを味わいながら、ゆったりとした時間を過ごせることは最高の贅沢です。海から吹きつける風も流れる音楽もとても心地よく感じました。

 

元 回槽店

 

 

排水路

 

旧宇土郡役所 現在:九州海技学院

明治35年に宇土郡役所として建築された擬洋風の建物。内部は、床が板張りで、壁と天井は漆喰塗りになっている。上部の回り縁や天井面の装飾、窓の上下の開閉などが洋風の感じを盛り上げている。現在は、全国でも唯一の自治体経営の海技学院として海の男たちの教習所となっている。

 

元 裁判所 法の館伝統工芸館・国際交流村

 

法の館

 

 

オランダ人水理工師ムルドルは、延長756mの石積埠頭の建設だけでなく港全体をひとつの町と見立てた都市計画ともいえる街づくりもおこないました。石積の排水路や環濠、石の道路側溝や石橋、幅広の道路や整然とした区画街路などが整備された新しい町は、貿易都市としての活気にあふれていました。当時の三角の町では、埠頭沿いに倉庫群や回漕店、東地区には郡役所、裁判所などの公共施設、通り沿いには旅館や風呂屋、人力車や客馬車の立場(発着場)が並んでいました。

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